診療放射線技師はどんな仕事?ラジエーションハウスが始まる前に知っておこう!
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実は診療放射線技師のカズッチです!
2019年4月8日からラジエーションハウスという放射線科の医師、技師を主軸にしたドラマが始まりますね!
医療従事者としては医師、薬剤師、看護師は知名度が高いですし、理学療法士などのリハビリの方々は患者さんと接する時間も長く、仕事内容を知っている方も多いです。
しかし、診療放射線技師は撮影室に引きこもって何をしているかわからないと言われていたりします。
実際にどのような仕事をしているのか詳しく知っている人は、ほとんどいないのではないのでしょうか?
せっかくの機会なので、診療放射線技師とはどのような仕事なのか簡単に解説してみたいと思います。
正式名称・略称を知ってますか?
患者さんだけでなく医療従事者でも私たちの資格の正式名称を知らない人もいたりします。
よく言われるのがレントゲン技師や放射線技師ですが、正式には診療放射線技師と言います。
そして、正式名称以上に知られていないのが略称ですね!
有名な医療職の略称にはこのようなものがありますね。
- 医師 Dr (Doctor)
- 看護師 Ns (Nurse)
- 理学療法士 PT (physical therapist)
- 作業療法士 OT (occupational therapist)
- 言語聴覚士 ST (speech therapist)
医師・看護師は有名ですしリハビリスタッフの略称も一般の人でも聞いたことはあるのではないでしょうか?
医療関係者ならほぼ100%知っている略称です。
しかし診療放射線技師の略称を知っている人はどれくらいいるでしょうか?
一般の人はほぼ0%、医療従事者でもほとんど知らないと思います。
診療放射線技師の略称はRT!
Radiological technologistの略でRTです!
きっと初めて聞く名称ですよね、私もRTと呼ばれている診療放射線技師を見たことがありません。
きっと今後も呼ばれる事はないと思いますが、知っていてもらえると嬉しいです。
診療放射線技師が行う検査
診療放射線技師の仕事は医師の指示のもと患者の病気を診断するための画像検査を行う事が基本の仕事になります。
放射線を使う検査
一般撮影検査(レントゲン撮影、エックス線撮影)
エックス線という放射線を使って骨や内臓の画像を撮影する検査です。
健康診断で肺の写真を撮ったり、打撲をしたりした時に骨折がないか検査する一番馴染みの深い検査だと思います。
以前はフィルムで撮影をしていましたが、現在はデジタル信号を読み取って画像を作る方法になっています。
フィルムで撮影していたころは暗室の作業で大変でしたが、今はIPと呼ばれるプレートが入ったケースを読み取り機に差し込むだけで画像が出来るので、とても作業が楽になり検査時間が短縮できるようになりました。
CT検査
一般撮影と同じくエックス線を用いた検査で、寝台に寝て機械の中に寝台が移動しながら撮影していく検査方法です。
体を輪切りにした画像を得ることができ、一般撮影よりも詳しく体の状態を知ることができる検査です。
最近は輪切りだけではなく任意の断面の画像を得る事もできるようになり、より詳しく診断できるようになりました。
骨密度検査(骨塩定量)
2種類のエックス線を当てる事で骨の密度を測定する検査です。
骨粗鬆症を調べる検査になります。
手首や腰の骨、足の付け根の骨で検査する方法があります。
踵の骨で測る検査は超音波を使っているので、放射線は使っていません。
核医学検査
放射線を出す物質を体に投与して、体の中から出てきた放射線を検知して画像を作る検査方法です。
かなり大きな病院でないと出来ない検査ですし、あまり受ける機会のない検査になります。
体の中に入れる放射性物質は放射線を出す期間が短く、体の中に長くは留まらない物質を使うので、内部被ばくを必要以上に心配する必要はありません。
放射線治療
検査で使う放射線の数十倍~100倍以上の強い放射線を使い、ガンなどの腫瘍細胞を破壊する治療法です。
腫瘍細胞だけでなく正常細胞にもダメージを与えてしまい、副作用なども多く出ます。
放射線を使わない検査
MRI検査
強力な磁石の力を体に当てて、返ってきた電波を検知して画像を作る方法です。
装置はCTに似ていますが、検査時間はCTより長く、何より音がとてもうるさいです。
肺以外の全身の検査をすることができます。
MRIの検査を受ける時は磁石に反応するものはMRI室に持ち込んではいけません。
私はうっかりポケットに財布を入れたままMRI室に入ってしまって、磁気カードが全滅したことがあります。
超音波検査(エコー検査)
私たちが聞こえる音の周波数より高い音波を利用した検査で、体に超音波を当てて跳ね返ってきた超音波を画像化しています。
エコー検査は身近な検査ですので、受けたことがある人も多いと思いますが、レントゲン検査の画像と違い、とても分かりにくい画像ですよね。
慣れないとどれが何の臓器なのかさっぱり分からないです。
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診療放射線技師の大切な仕事(私個人の考えです)
診療放射線技師は医師の指示で検査をしています。
基本的には撮影の体位や撮影条件はマニュアルのようなものがあり、それに従って撮影をするだけです。
しかし、それでだけでは診療放射線技師が撮影している意味がありません。
画像をマニュアル通り撮影するのではなく医師が必要とする情報を得られる画像を撮影しなければならないのです。
そのためには検査目的を把握するだけではなく、病気に対する知識もなければなりません。
特にCTやMRIなどは作成された画像の条件により病変を見逃す可能性もあります。
診療放射線技師は医師が診断しやすい画像を作成して提供しなければならないのです。
そして、診療放射線技師は医師と同等かそれ以上の読影力(画像から病変を読み取る力)を身に付けなければいけません。
意外かもしれませんが、医師は専門分野以外の知識があまりない方が多いです。
内科医は整形疾患を、整形外科医は内科疾患を見落としてしまう事があるのです。
それを防ぐためにも画像を作る私たちが病気を見つけないといけないのです。
私は撮影後の画像で疑わしいところがあればメモを残すようにしています。
そのメモを見た医師からの問い合わせでディスカッションをすることがよくあります。
見当違いの見立てだった事もありますが、私は診断する立場ではないので、医師に知らせて気づいてもらえるようにすることが大切なのです。
正直なところ実際に医師が気づかなかった病変を見つける事も時々あります。
診療放射線技師の仕事は医師の指示に従い撮影をするだけではなく、撮影した画像を見て医師と同等かそれ以上に読影をすることだと思っています。
まとめ
診療放射線技師はあまり表に出る職業ではありませんが、患者の病気を診断するためには欠かせない職業です。
ラジエーションハウスの原作は読んだことがないのですがドラマは楽しみにしています。
今後ドラマを通して診療放射線技師がどのような仕事をしているか知ってもらえると嬉しいです。